クマの戯言

不定期・ノージャンルで日々感じた事を書き綴る

音楽祭が終了・・・

あんまり個人を特定するような事柄を書くと周りに迷惑をかける事もありそうで、控えめにしておく事も必要であろう。
夏の、それなりに認知度のあるクラシックの音楽祭にスタッフとして参加した。4年振りのことだった。
あまり暴露話なんかはするつもりもないので、今回参加して感じた事を漠然と書いておこうと思う。
参加したアカデミーの技術力は高かったように思う。しかし最後まで彼らの演奏からは、演奏しか聞こえず、音楽を聴く事は出来なかった。おいらは音楽大学を出ているので、クラシックがどういうものか、ある程度の物差しを自分の中に持っているつもりである。裏方としても20年近く海外のオーケストラの来日公演に立会い聴いてきた。別に有名な名門オーケストラが必ずしもいつも素晴らしいとは感じない。しかし、流石一流、一発の音で魅了されることもある。
常に知っている曲を聴くわけでもなく、しかし自分の中にある音楽を参考にしながら聴く事に集中する。
…今年のアカデミーを聴いていてただ感じるのは、楽譜を音に変える作業は出来ても、どんな音楽に作り上げたいか、イメージが伝わってこない。…空っぽなのか?とすら感じる時がある。
おいらは自分のやっていた楽器のお陰で他の楽器についても勉強する
機会があった。別に自分の楽器の師匠たちが最も尊敬する存在とも思わなくなった。素晴らしい音楽を生み出す音楽家は自分の楽器を最強の手段として使いこなす。アコーディオン、リコーダー、テューバ…様々な一種特殊な楽器からでも素晴らしい音楽を与えてくれる。
音楽を聴きたい、と常に思っている。その人物がその音楽/楽譜をどう形にするのか…?
結局、音楽とは技術自慢ではなく、自分が学び経験してきた様々な要素を充分に安定した技術を利用して表現することではないだろうか?
アカデミー諸君はいったいどんな本を読み、どんな音楽を聴き、どんなオペラ、演劇を観てきたのだろうか?バーンスタインの著書やクライバーの公開リハーサルのDVD、ヴェルディやプッチーニのオペラ…クラシックの中だけでも、諸君に素晴らしいヒントを与えてくれる素材を先人たちは数多く残してくれたのだ。今の作曲家皆様には申し訳ないが、まず18世紀、19世紀の音楽からキチンと学んでいったらどうだろうか?ストラヴィンスキーの「3つの小品」を吹くこととモーツァルトの「クラリネットとバセットホルンの為の12の二重奏曲」を吹くことは技術の難しさのみで本質を問われるものではない。
技術を手に入れる喜びに惑わされると、音楽の本質には辿りつかない気がする。自分の表現したいものを手に入れる為にどうしても上質な技術が必要となるのである。まずは自分の中に少しでも魅力のある音楽を生み出すことから始めよう。
音楽祭に選ばれたからといって一流の仲間入りではなく、一流の体験の出来るアマチュアになったにしか過ぎないのだから。更なる音楽の勉強はここからやっと始まるのだから。
最後に書き足すが、この音楽祭の前半、かなり日数的に少なかったが、それでも可能な限り自分の音楽を与え続けた真のマエストロ・ムーティの姿に、今も尚幸せを感じている。
  1. 2007/08/04(土) 15:13:26|
  2. 音楽
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