映画「さらば、わが愛 覇王別姫」を観た。
なんとも苦しい作品だ。悲しいとか切ないとか、そんな感情を生易しく思えてしまうくらいどうしようもない絶望感を感じてしまう。
最後には、強要され、追い込まれ、自分の奥底に封印し禁じていた弱さを自ら晒してしまう。その先には絶望…悔恨…無力…闇しか生まれない。
ある友人の勧めで「小さな宇宙人、アミ」という作品を読んだ。その作品が提示した世界とはまさに対極にあるような世界。
松本大洋さんの「ピンポン」も脳裏をよぎった。別になにか取り立てて共通点があるわけではない。しかし、「京劇」の世界に生きたために、時代や社会に翻弄され押しつぶされていく蝶衣:ティエイーや小樓:シャオロウ、菊仙:チューシェンたちと、「ピンポン」という競技を通じて思春期の不安定な自我を思い知らされもがくスマイル、ペコ、アクマ、ドラゴン…、誰が誰というわけではないがダブって見えてしまうのだ。
ピンポンと京劇、それぞれを柱に、「ピンポン」では全ての主要人物が何かしら自分の中の本当の自分を発見していくのに対し、「覇王別姫」では主要人物たちは自分をどんどん奪われ崩壊していく。時代、他人の心、才能…自分ではどうにもならない力がそれぞれを昇華し破滅させる。その類似した設定と両極端な結末が2つの似つかない作品をおいらの脳裏で結合させたのかも知れない。
後半のシーン割りが若干気になった。短いシーンが執拗に連続していく。そのシーンの意味を暗示出来た途端に次のシーンに飛んでしまう。もう少しそれぞれのシーンに重みを持たせたほうが自分が何を感じてるのかを味わえるように感じる。
菊仙:チューシェンを演じたコン・リー。「SAYURI」でも同じような役を演じていたが、そういう女性の役がよく似合う。魅力的な女優だ。
今回、ある縁があったお陰で、この映画を知り、観ることが出来たことに感謝している。
- 2008/02/18(月) 04:15:52|
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